大変な問題が   田中信治  

       
 今、世間で何かと注目されている1級建築士です。
 この制度は、建築士法に基づいて、1級建築士
なろうとする者は、国土交通省(旧建設省)の行う
1級建築士試験に合格し、国土交通交通大臣の免許を
受けなければならない、と定められています。

 現在1級建築士免許を所持しているものは全国で約
26万人です。1次試験は建築計画・建築法規・建築構
造・建築施工の学科試験と2次試験の実技試験(5時間
30分内に計画製図を完成させる)の合格が必要です。
 最近は1級建築士に合格するのは困難とされています。
 建物構造の種別には、主に木構造・鉄骨構造・鉄筋
コンクリート構造・鉄骨鉄筋コンクリート構造・コン
クリートブロック構造に分けられます。

 さて、今問題視されている鉄筋コンクリート構造の
構造設計について述べると、構造設計に当たっては、
その用途(マンション等)、規模及び構造の種別並び
に土地の状況に応じて柱、はり、床、壁等を有効に配
慮して、建物全体が、これが作用する自重(鉄筋コン
クリート構造の自重は約2.4N/●+仕上げ材の重さ)、
積載加重(0.6〜1.8N/〓)、積雪(1●ごと20N/〓)
風圧、土圧、水圧並びに地震その他の振動に及び衝撃に
対して、一様に構造耐力上安全にあるようにすべきもの
とする。(建築基本法・施行例第36条の2より)建物は
常に外力より微妙に動いています。その力により圧縮応
力・引張応力が生じています。圧縮力に対してコンクリ
ートが引張力対して鉄筋が力を負担して構造破壊から建
物を守ってくれています。

 近年PCの普及により正しいデータを構造ソフト(国
土交通省認定)に入力すれば柱、はりの断面の形状、鉄
筋量が正確に明示されます。基礎データを正しく入力す
れば何ら問題視はされません。我々は、見に目に見えな
い所は特に注意を払って確認をするように指導を受け、
実践してきました。設計上と現場のギャップはあります。
 だから第3者の工事監理を必要としますし、安全を見て
鉄筋量を増やすこともあります。そうしないと後日コン
クリート面にひび割れ(クラック)となって表面に出てき
ます。
 
 建物を完成させるには、施主・設計監理・施工者がお互
いを理解し、知恵を出し、適切な工事費でより良いものを
完成させる理念を持たなければなりません。専門的な知恵
も学ばなければなりません。多くの人材・専門職を有し、
建物は竣工します。
 
 施主になられる皆様は、高い金額を先行投資して事業を
なされます。信頼という言葉を心の片隅に留めて下さい。
 もっと詳しくは別室で。