賞状用紙の枠飾りの由来

         宮 田 幸 博
 
賞状の始まりは、中国の皇帝が正式な人事発
令等に用いた書状の飾り枠に『鳳凰』の図柄が
用いられており、又、日本の天皇家宮中行事
の神文(神の文)に用いられていた『桐』とが合
体したものが、賞状用紙のデザインの起源とな
ったようです。

[鳳凰と桐の葉と雲龍]
鳳凰=中国において目出たいとされる、
四瑞=四種の架空の動物(龍・亀・麟麟・鳳凰)
の内の一種で、夫婦仲が大変よく、一生
涯を連れ添うといわれ、雄を『鳳』、雌
を『凰』と言い分け、夫婦あわせて『鳳凰
と呼ばれ、賞状用紙では、向かって左側
に雄の『鳳』、右側に雌の『凰』が向か
い合っています。
  
 『麒麟』も五色に輝くきれいな雄を『麒』、
連れ添って歩く雌を『麟』と呼び、「目
出たい時や、聖人が生まれる時に現れる」
といわれています。
 桐=桐は原産国である中国では「鳳凰が宿る
尊い木」とされ、「鳳凰は朝日を浴びた
桐の葉の光りに目覚める」と言い伝えら
れているようです。
   
 又、幹は色は白く伸縮や亀裂などのくる
いが少なく、湿度の吸収も少ないことから、
尊く目出たい植物として日本に伝来し、
菊と共に皇室の紋章になったようです。
雲龍=本来、雲と龍とで雲龍と呼ばれているよ
うですが、鳳凰と同様に四瑞のひとつで
もある龍と一緒になって雨を呼ぶ幸運の
雲で、その雲も『雲龍』といって尊ばれ
ているようです。