「お家の一大事」

〜わが家(まち)は庭付き一戸建て〜
           
澤 田 健 規
 
徳山の市街地を車で移動中、従業員と副社長
(わたし)の会話。
従業員「徳山は次から次にマンションが建ちま
すね、大丈夫なのですかね?」(分譲・入居の心配)
 当社も徳山でのマンション施工が続いている。
工事が始まると問もなく入居希望者が殺到し、
完成までに完売となる状態である。
結婚する前の2年間徳山で過ごしたことがある。
 平成元年、パプル絶頂期のことである。仕事も、
山陽自動車道の建設が最盛期であり、昼も夜も
息つく暇のない慌しさであった。前任地が神戸
であり、一抹の物悲しさを感じたが仕事漬けの
毎日になりそうなので気に止めなかった。
副社長「住宅を購入するなら、庭付き一戸建て
が一番だろうな」
従業員「徳山は土地が狭いから」
 ここまでは、今までどおりの会話の繰り返し。
副社長「毎月家賃を払う金額で、マンションが
購入できる価格になった。お年寄りだけの家が
増え、庭の手入れも大変、カギ一つで生活でき
る安全性を望んでいる」
 これは、徳山に限ったことではない。
 ここからは、わたしが徳山での生活体験から
の持論である。
副社長「徳山は街なかに緑が多い。街路樹も整
備され都市公園も充分にある。街なかでコンク
リートの建物に住んでいても、緑に接すること
が毎日の生活の中で十分にある。マンションに
住んでいても一戸建て住宅に住んでいるような
ゆとりとうるおいを感じることができる」
従業員「そうですね!」
 さくらが花を落とし緑の葉をたくわえる、ハ
ナミズキの花が空を押し上げ、真夏の太陽を呼
び込もうとしている。
 徳山の小学生は木陰をとおる涼しい風に誘わ
れて、楽しそうに家路へと向かう。
 わが子らは、容赦なく照りつづける日差しの下、
汗を流し、息を切らせ、陽炎を追いかけて足を
進める。途中暑さに耐え切れなくなり水路に靴
のまま入る子、女の子でさえ帽子で水を掬って
頭から浴びる。子どもの安全確保のため、保護
者へ途中まで出迎えるようお願いをしたら、日
焼けをするからいやだと言われた。
 わがまち防府、やらなくてはならないことが、
たくさんあります。いや、おかげさまでやるこ
とがたくさんあって、楽しみですね!