住友信託のCSR (企業の社会的責任) 

       
          泉  雅 央       
 
 住友の事業は、住友自身を利するとともに、
国家を利し、かつ社会を利する底の事業でなけ
ればならぬ(住友第二代総理事伊庭貞剛)
 別子銅山鉱毒被害を食い止めるために住友
は莫大な費用をかけて精錬所を瀬戸内海の四阪
島に移転させ、枯れ果てた山々に大規模な植林
を行い自然を再生させました。わが国における
「企業の環境経営」の原点ともいわれていま
す。
時は移り、バブル期前後の行き過ぎた「収益
至上主義」は身の丈以上の不良債権を残すとと
もに、地価や株式の高騰に乗った営業活動は諸
先輩が築き上げた信用を簡単に失わせてしまい
ました。大手銀行が次々と債務超過になり銀行
の倒産が現実に社会問題化し、ペイオフ騒動で
預金の1,000万円を超える部分がどんどん出金
されていきました。早期に完済したとはいえ公
的資金の注入に救われたという事実は「痛み」
として我々に残っています。「もう一度原点に
戻ろう」、「住友のDNAを思い出そう」、と
いう活動が全店を挙げて始まってもう5年にな
ります。
全国を2〜3年平均で異動していく我々は、
『会社』人であるとともに責任ある『社会』人
であることを忘れてしまいがちです。特に支店
長・次長という職掌成果主義に基づく評価が
されるため、営業活動を最優先させることがあ
ります。3年前に次長になった時に担当役員か
ら「次長は支店長の相談役であり、お目付役で
ある。課長の兄貴であり、担当者の親父であ
る。部下を愛せ。」と言われました。支店長に
なった時に同じ役員から「店の立地する地域を
愛せ。人を愛せ。当社のためでなく、地域の人
達のために頑張れ。」と言われました。
1月16日の事業承継セミナー(主催:防府
工会議所、防府法人会)は、株式交換方式によ
り優秀な地場企業へのM&Aや上場を狙った大
手証券会社のセミナーに対する、地元への当社
の「答え」だと考えています。地元の企業オー
ナーに客観的な情報を提供し、地元に信託銀行
があることを再認識していただければありがた
いです。是非奥様、後継者の方とご参加くださ
い。また公表はされていませんが2月14日に高
校生向けの講演会も予定しています。世界で初
めてプラズマテレビを開発した篠田傳(しの
だつたえ)先生が山口県出身であり、僕の前
任地の明石にお住まいであったご縁で来防いた
だきます。先生は子供の頃テレビを初めて見た
驚きと大学時代のプラズマの実験からプラズマ
テレビ開発の夢を持ち、数々の困難を乗り越え
られました。「夢を追いつづけ、夢の実現のた
めに頑張る」ことをテーマに講演していただき
ます。防府高校防府商業・誠英高校の1・2
年生が学年単位で共通のカリキュラムとして参
加してくれます。全国でも珍しい公立と私学、
普通科と職業科が同一の授業を受ける、と防府
教育委員会で驚かれました。今回日程と移動
の難しさから参加できなかった防府西高校と高
川学園高校にも講演のDVDを作成して提供し
ます。
 防府ロータリーも後援ということでお名前を
使わせていただいています。もちろんDVDも
提供する予定ですので、よろしければご覧くだ
さい。
 柄になく「お仕事モード」の文章になりまし
た。1月22日の新入会員スピーチは「おちゃ
らけモード」でいくつもりです。