年男の弁

           宮 田 幸 博
 
 私は小さい頃によく「まるまる牛」と言われ
ていました。
 誕生日が10月15日ですので、母親の胎内で誕
生して母体から出てくるまで、二つの干支をま
たがず10月10日を牛年で過ごしたとのことで、
「まるまるの丑年生まれ」と言われていました。

 『丑年の語源』を調べてみると、『丑』は
「曲がる」「ねじる」を意味し、芽が出かかっ
ているが、まだ曲がっていて地上に出ていない
状態、伸びきれずにいる状態を表すものと解釈
されているようで、糸偏に丑の『紐』は、柔ら
かい意味を含んでいるようです。
 
この『丑』を『うし』としたのは、無学の庶
民に十二支を浸透させるため、動物の名前を当
てたもののようで、順番や選ばれた理由は定か
ではないようですが、私が幼少の頃聞いた話で
は、神様が十二支の動物の順番を決める際に、
牛は歩くのが遅いため早くから出かけゴールの
門前に一番にたどり着いたが、背中に乗ってい
た鼠がゴール寸前で背中から飛び降りたので、
二番目になったと聞かされていますが、これは
十二支に動物が割り当てられた後に作られた話
であって、『丑』に「牛」が当てられた由来は
ないみたいです。
 
 ともあれ、丑年を繰り返すこと5回目。「今
の時代では60歳はまだまだ若い」と自分では
思っていますが、「髪の毛は長〜い友達」と
言われているその髪の毛も、頂上から次第に
去って行き「気持ちは若いが身体がついてこ
ん!」が現実で、徐々に自分の身体の健康
管理に注意しなければいけないと思っている
今日この頃です。