耐震性能と基礎

          田 中 信 治
 前年度の会員スピーチで話の補足説明をした
いと思います。
 地震と建物の耐震性を話しましたが、今回は
建物の基礎に付いて述べたいと思います。
 木造住宅の基礎は、布基礎と、べた基礎の2種
類が主に採用されます。
 布基礎は逆T字型の形状で、一般的に450mm幅
のフィーチングで建物の荷重を地盤に伝え、し
っかりした地盤の場合に採用されます。
 べた基礎は1階部分全面に床版を設け、布基礎
よりも建物荷重を分散して地盤に伝えること
で、弱い地盤に採用されます。また、不同沈下
を防ぐ役割も果たします。
 今では、必ず建物を基礎設計する前に地盤調
査を行います。一般的にはスウェーデン式サウ
ンディング方式が採用されます。
 25cm堀下げるために回転を要した回数を1m当
りの回転数に置き換え、土質による換算式に
て、N値を算出します。
 また地盤の地耐力換算をし地盤の強さ(地耐力)
を出します。少し難しいですが、個別にお教え
します。地耐力という言葉は聴いたことがある
と思います。
 地耐力が30kN/?が目安で、それ以下だと地盤
の補強工事が必要です。
 1. 表層地盤改良工法
 2.柱状改良工法
 3.鋼管にて杭を施工する工法
があり、建物の荷重を支持層まで伝えます。
 とかく耐震性能は地盤より上の柱、梁、筋か
いに目を奪われがちですが、足元の基礎、それ
を支える支持層(地盤)にも目を向けてくださ
い。
 皆様のご家庭、事業所、工場の耐震性はあり
ますか、株式会社英友設計事務所にご一報くだ
さい。専門家が判断します。奥が深いです。