金融犯罪について〜最近の金融詐欺事情から思うこと

             永 井 晴 彦

 4月に入会・ご承認いただきありがとうござい
ます。
 先日警察署より表彰頂いた実際の出来事です
が、防府の我々のお客様もいつ何時犯罪の危険
にさらされる可能性があるということを強く実
感しテーマに取り上げさせて頂きました。
 入口はよくある金融商品勧誘です。「有利な
金融商品を購入しないか?」というものです。当
然お客様は「要らない」と断られます。
 相手は一度は引下るのですが数日後「他の人
に権利を譲ったが名義が貴方のままなので変更
できない。このままでは3千万円購入する方に被
害を与えることになる。一時的に立替をして名
義変更に協力しないと、貴方は法律違反を犯す
ことになる」半ば脅迫されて追い込まれる事案
です。
 受付者と責任者の連携・機転で被害を免れる
ことができましたが、お客様も私たちのご忠告
を聞いてくださった、信頼してくださったこと
も大事な点でした。
 おかしいと感じたポイントは3点、
  ?現金引出要求、
  ?直接手渡し、
  ?緊急事態であわてさせる、ということ。
 これまでの「オレオレ...」「振込め...」の
ように銀行口座を使ったものではなく、直接現
金手渡しの犯罪が5割を超えているという実態で
す。
 銀行等で本人確認強化等が行われた効果です
が、一方で千万単位の大口化が進んでいます。
また「家族への情」から「モラル・法律を守る
といった正しい行為・気持」にと、つけ込む対
象も変化しています。
 銀行から出金理由を聞かれると不快に感じら
れるお客さまもいらっしゃいますが、お客様と
の信頼関係を築きつつ、あらためてこうした犯
罪の芽を摘む努力ということを行う必要性に加
えて、こうした形で地域に役立てることを感じ
ました。法人のお客様だけでなく個人のお客様
でも、お金の動きが「家計の健康」を図るバロ
メーターになります。「家計の健康」を守ると
いう金融機関の存在意義も肝に銘じたいとあら
ためて思ったエピソードでした。