精神障害についての豆知識

          水 津 信 之

 精神障害というと皆さんはJ ! J ! J ! と思われ
る方もいらっしゃるかもしれませんが、決して
理解できない病気ではありません。
 家庭や職場で知っておくといい知識を書いて
みます。原因としては内因性、外因性、心因性
の大きく3つに分けられます。
 今回は内因性について説明します。内因性
は、原因不明(遺伝や環境なども考えられていま
すが)の病気で、統合失調症(精神分裂病)や躁う
つ病が中心です。
 症状としては統合失調症では声が聞こえたり(
幻聴)、周囲が監視しているなどの被害妄想が見
られ、症状の激しい時には自分や他人を傷つけ
たりすることがあります。精神科への早めの受
診が必要です。
 治療としては幻聴や妄想を軽減するために、
また興奮を抑えるために抗精神病薬という薬を
使います。従来の薬は手が震えたり、よだれが
出たり、小刻み歩行になるなどのパーキンソン
症状や鎮静が強かったりするなどの副作用が強
く出ていましたが、最近では副作用の少ない薬(
効果も少し弱いようです)が中心として使用され
ています。
 躁うつ病では気分や感情の変動が問題となり
ます。タイプは色々ですが、躁状態になると多
弁多動となり、周囲の意見は聞かず、分不相応
に買い物をしたり、お金を使ったりします。
 うつ状態になると1日なにもせず、横になって
いたり、食が細くなり、我儘をしているように
見えますが、決してそうではありません。ひど
い時には自殺も考えます。
 このようなときには決して励ましたり、叱咤
激励してはいけません。優しく見守ってあげて
下さい。ただし自らうつですと言う人に本当の
うつ病はほとんどいません。どちらの状態も早
めの受診が必要です。治療は躁状態では抗精神
病薬を使いますが、入院が必要になる場合もあ
ります。
 うつ状態では抗うつ剤を使いますが、最近で
は新しいタイプの抗うつ剤が使用されます。効
果が出るまで約2週間ぐらいかかりますので、あ
せらないようにしてください。