「裸坊祭り」とわたし   

           三 田 浩 士

 11月23日(土)、防府天満宮神幸祭、「裸坊
祭」のご奉仕に参加しました。
 昭和59年に入庫して以来、29回目の参加とな
ります。今年は天候に恵まれ大変暖かく、寒さ
に震えながらビールを飲む事はありませんでし
た。
 社会人になって参加するようになったこのお
祭りは、私の人生の中で様々な思い出を残して
くれました(小学低学年の長男を連れて行ったの
も懐かしいです)。
 さて、私の一番の思い出は中学一年生の時に
行われた裸坊に遡りますが、中一の秋、私は腹
膜炎を患い、一か月の長期入院をしました。そ
の時ベッドの中で聴いていたラジオから流れて
きた曲に、強烈なインパクトを受ける事になり
ます。
 井上陽水の「夕立」という曲です。天地真理
などの歌謡曲しか知らなかった少年は、相当シ
ョックを受けた訳です。
 そしてその時はやってきます。退院して親父
に連れられた裸坊見物の後、レコードショップ
「コマンド」で井上陽水のLP「二色の独楽」を
ゲットしたのです。
 「何だ、井上陽水の話で裸坊の思い出ではな
いではないか」と思われるかもしれませんが、
この時期になると、親父に肩車をされて見た
「兄弟、ワッショイ」の掛け声も勇ましい裸坊
と共に、井上陽水の「夕立」が思い起こされる
のです。
 防府市民の生活に溶け込んでいる「裸坊祭」
は私の人生とも密接に結びついています。沢山
の思い出が詰め込まれています。そして、毎年
元気にご奉仕させて頂ける事を改めて嬉しく思
います。
 最後になりますが、井上陽水に目覚めた少年
は当然の事ながらギターを購入し、その後ロッ
クに夢中になります。
 そしてギタリストを夢見て(笑)東京の大学に
進学しますが、何故か裸坊に魅せられた私がこ
こにいます。来年の参加を楽しみにしながら
………。