釣りと海と私

                     
           松 永 充 宏
 
先日、連休に大津島に釣りに行きました。
 大津島は徳山湾沖に位置する、とても魚影の
濃い島です。
 中関から出港し、20分かけて大津島に向かい
ます。
 前日まで続いた大雨のせいで、やたらと流木
が多く操船には注意が必要でした。
 到着後、大津島から800m西に宮市子(みやい
ちこ)と言われる離れ磯があり、ここをまんべ
んなく船を流しながら探っていきます。
 宮市子周りは水道となっており、たくさんの
魚が集まります。しかし大潮、中潮の引き潮は
川のように流れ、とても釣りにはなりません。
 小潮か、大潮、中潮の潮止まりを狙って船を
流します。
 当日はアジ、メバルカサゴと好釣果でし
た。
 大津島や野島は水深もあり魚影も濃い、とて
も好きな釣行エリアです。
 日頃の疲れを一気に回復してくれる釣りと海
は、私にとってこれからも長く付き合っていく
大切な友人のような存在です。
 ところで、このように現在は釣りの好ポイン
トや観光地として平和な佇まいを見せる大津島
ですが、ご存じのとおり悲しい過去をもつ島で
もあります。
 太平洋戦争の末期、「天を回らし、戦局を逆
転させる」という願いを込めた人間魚雷「回
天」が誕生し、大津島に訓練基地をおいていま
した。
 全国から20歳前後の精鋭が集まり、ここで厳
しい訓練を行っていたそうです。そして、多く
の若者が敵艦目指し出撃して行ったのだと聞い
ています。
 私も今は20歳前後の娘を3人持つ父親です。 
特攻隊員のご両親は、自分の子供が回天に乗込
み出撃していく時、何を思っておられたのでし
ょう。親の立場になり、そんなことも頭をよぎ
りました。
 多くの若者の犠牲の末にある今の平和な世
を、子供たちに永遠に残していこうと思いま
す。