【戦後70年 サザンオールスターズ新曲「平和の鐘が鳴る」に憶う】

 
          弘 中 貴 之

 サザンオールスターズが、9年ぶりの年越しラ
イブに生中継で『紅白歌合戦』に出演した。そ
して年が明けると同時に10年ぶりのオリジナル
アルバムと全国ツアーの発表。そのアルバムに
新曲「平和の鐘が鳴る」が収録されている。
 「歌詞引用」
今の私を支えるものは胸に温もる母の言葉
若い命を無駄にするなと子守唄を歌いながら
過ちは二度と繰り返さんと堅く誓ったあの夏の日
未だ癒えない傷を抱えて長い道を共に歩こう
悲しみの青空 忘れ難き顔と顔
平和の鐘が鳴る
あの音は誰のために 貴方(YOU)
喪ったものを希望に替えて 再び歩き始めた国(日本)
深い闇から立ち上がる時 笑いながら夢を抱いて
この世に生かされて 悪いことも良いことも 
どんな時代だろうと 人が見る夢は同じさ
ここにいるのは私独りじゃあない
過去と未来が繋いだこの命
悲しみの青空 忘れ難き恋もした
平和の鐘が鳴る
響くのは誰の胸に 貴方(YOU) 貴方へ
 「平和の鐘が鳴る」は、タイトルに象徴的に
あらわされている通り、平和を願い、命の尊さ、
そして新しい時代へ向かう人々の夢を歌った曲
となっている。戦後70年をどういう年にするか。
それを決めるのは私たち自分自身ではないだろ
うか? すべては、世界人類一人一人の「私」が
変われば戦争はおきないかもしれない。
 仏教の古い経典は教えている。「すべての者
は暴力におびえ、すべての者は死をおそれる。
己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さ
しめてはならぬ」と。
「怨みに報いるに怨みをもってしたならば、つ
いに怨みのやむことがない。怨みをすててこそ
やむ。これは永遠の真理である」と。
「おのが敵に対しても慈しみを起こすべし。慈
しみの心を以て遍満すべし。これは諸仏の教え
なり」と。
 平和な世界を作るには戦争や紛争を起こして
はならず、さらには貧困や飢餓、差別や抑圧な
どの社会的不公正、経済的不平等をもなくして
ゆかねばならない「私たちの平和(未来)」を積極
的に想像していくのは今なのではないだろうか?
 2015年は、戦後70周年という世界的にも節目
となる年である。