修正会(しゅしょうえ)

                     
          井 藤 憲 彰

 日本の多くの寺院で、年の始めに行われる法
会を修正会と言います。
 私が住職をしているお寺でも、除夜の鐘を突
き終わった後、家族で約一時間お寺の各諸堂や
墓地を巡ってお勤めをし、それが終わったあと
初めて新年の挨拶をします。
 今年は東京からの5才と2才の孫も眠い中、一
緒にお勤めをしてくれました。
 そして7日には、お檀家の方々と改めて修正会
の法要を勤めました。
 その時に読むお経の一部です。
無量寿経」に
「天下和順 日月清明 風雨以時 災窅不起
 国豊民安 兵戈無用 崇徳興仁 務修礼譲」
 この意味は「天下が太平であり、太陽も月も
清く明らかに照らし、風や雨も時に相応(ふさわ)
しく、天災や病疫も起こらず、国土は豊かで民
は安らかに過ごし、武器を用いるような争いも
なく、人々は互いに徳を崇めて仁を尊び、礼儀
と謙譲の実践に励む」と言うことです。
 お経はとかく難しい事が書いて有るように思
われがちですが、実はこんなに当たり前の事も
書かれているのです。
 ただこの「当たり前」が出来ないのが現実で
すが……。