箱 根 駅 伝

          岡 田 則 夫

 正月2日、3日はどこへも行かず、恒例と言おうか
正月の風物詩になっている箱根駅伝に釘付けになる。
 これを見ないと落ち着かない。何しろスタート
の1時間以上も前からテレビ中継は始まるのである。
 数年前までシード権内外をウロウロしていた我
母校も1区から10区迄一度もトップの座を譲らず、
ぶっち切りの完全優勝である。強い。全く危な気
なかった。 
 原監督の談話の中に、「『青学は強い。絶対優勝
するであろう。』と言われる中で優勝することこそ
本当の強さだ。」と言っていたのが印象に残る。
 私も在学中一度応援に行ったことはあるが、当
時はテレビ中継もなく、今ほど大騒ぎはしていな
かった。出れたり出られなかったりしていて、そ
の後数十年、全く出ていない。強くなったのはこ
こ数年の話である。毎年3月に行われる山口県校友
会、今年もその話で持ち切りだろう。当然ながら
懇親会の景品も駅伝グッズとなる。会社の自分の
机の前にも襷掛けをしたマラソンランナーのキー
ホルダーが吊るしてある。
 原監督はOBではない。確か中京大の出身である。
そして中国電力の選手だったと思う。それを“う
るさ型”の陸上部のOBを抑え、監督に据えたそう
である。かなり反対があったらしい。その監督に
全てを任せた結果、いい選手を発掘出来たのだろ
うと思う。全国からいい選手が集まっている。こ
の辺りでは世羅高、西京高もいる。
 本で読んだことがあるが、駅伝に年間予算5,000
万円位かける大学もあるらしい。有名校はいい選
手が集まり易い。強い大学はいい選手が集まり易い。
 一度シードを落とすと中々いい選手が入ってく
れないそうである。仮に有名選手が入っても、そ
の選手が在学中に潰れたりした場合、指導に問題
があるのではということになって、親がその大学
に行かせないらしい。挙句の果てには「どこに就
職させてくれるのか」と尋ねる親もいるそうである。
全く過熱気味である。
 表は華やかでも裏は大変らしい。しかし、いい
順位を取ると宣伝効果となって一般受験生が増え
て受験料が増えるとのこと。痛し痒しである。
 かつて次男の大学の県支部長をやっていた時、
たまたま駅伝担当の職員が来られて話したのだが、
いい選手を探して1年間に車の走行距離は5,000km
にも上るそうだ。
 TVの方も事前に選手と接触して色々な事を聞き
出し、練習風景を映し出しエピソードを探し、は
たまた予選会まで中継するのである。
 出雲駅伝では校友会島根支部より毎年、ひと口2
千円、二口の寄付を募ってくる。昨年も出した。
一昨年も出した。一昨年は天候の都合で中止にな
った。あの4千円はどこへ行ったのだろう。
 でも、面白い。目指せ三連覇!