釣りと海と私4

           松 永 充 宏

 年初に毎年恒例の初釣りに行って参りました。
場所は三田尻港から沖合い南東15?に位置する
防府市の離島、野島です。
 対象魚はメバルカサゴ、鯛です。水深が比
較的浅い場所は釣りがしやすい為、たくさんの
船が集まっており、釣り場も荒れていますので、
水深40mという深場での釣りとなりました。
 しかしながら、深場で仕掛けを真っ直ぐに下
ろしていくのは非常に難しく、潮の速さ、風の
向きを計算し船を流さなければなりません。漁
師はピンポイントで漁礁に向けて船を流すこと
が出来ますが、私にはそのような技術はなく、
とても苦戦いたしました。
 それでも4時間ほど粘りまして20匹の釣果とな
り、40?を超える大きな鯛も釣り上げる事が出
来ました。初釣りで鯛を釣るのは縁起がよく、
一年を通して良い漁が出来ると言われています。
 さて、この野島ですが、かつては無人島で、
田畑がなかったことから「野の島=野島」と称
されたと言われています。また、全島がツツジ
で覆われ開花の頃には海まで真っ赤に染まって
見えたことから「茜島」とも呼ばれていました。
 私も幼少期に地区の行事で一度行ったきりで
したが、ここ数年は釣りでの休憩場所として、又、
年に3回開催される野島の浜市にも訪れたりして
います。
 確かに野島は都会のような便利さはありません。
しかし、海の恵みや山の恵み、数え切れない『郷
土の恵み』はあふれんばかりです。 地域の人々
とのあたたかい触れ合いを感じながらのシンプ
ルながらも心豊かな暮らし……私の憧れです。