21世紀型リーダーシップ/ファシリテーション  倉員謙作

 二年ほど前から人間関係ファシリテーション
を学んでいます。
 現在ファシリテーションは大きく分けて、ビ
ジネス(成果を挙げるために活用)、コミュニテ
ィ(まちづくりなどの話し合いで活用)と私が好
きな人間関係(教育的視点で学ぶもの、すべての
ベースだと思っています)のフィールドで活用
されています。
 人間関係ファシリテーションは体験学習を基
本とし、「今、ここで起きていることから学ぶ」
という姿勢をとります。それは私にとってとて
も大きな気付きでした。何かが起きている時に、
その主体として「人間」に着目すると、今まで
の経験から来る固定観念で人を判断することの
危うさが見えてきます。
 今ここで起きている、今いる人間と人間の関
係がどうなのか、に焦点を当てた時、人間関係
というものがまるで違ってくることがあります。
それがとても面白いのです。
 体験学習の研修では、あるワーク(グループ
での体験)をした後、その過程でどんな気持ち
でいたのか……を語り合います。「ふりかえり」
といいますが、作業中は判らなかったことが、
実は「……だった」とわかるのです。
 表面にわかることを「コンテント」見えない
感情や関係性を「プロセス」と呼んでいます。
このプロセスを知る、ということが私の人間関
係を大きく変えました。
 一見「なんでそうなの?」と思う言動が実は
その人にとって、きちんとした必然性を持って
いるということを受け入れるとき、新しい人間
関係が生まれます。
 日産のゴーン氏による実験の成果を見るまで
もなく、「ファシリテーション」「コーチング」
などの対人スキルは21世紀のリーダーには不可
欠の能力だと確信しています。
 私は「集団」を扱うという点で、ファシリテ
ーションに注目しています。
 日本ファシリテーション協会の森副会長は日
経BPのビジネスイノベーター
(http://nikkeibp.jp/style/bizinno/facilitat
ion/article20040615.shtml)のインタビューで
ファシリテーションを学べば自分が変わる。
自分の思考方法が変わります。人の話を聴く力
がつきます。質問力が高まります。多面的な観
察力がつきます。情緒的安定が増します。」と
言っています。そのとおりです。いいことだら
けですね(笑)。