同 窓 会

清 水 龍 三
  
雨はふるふる 城ヶ島の磯に
  利休ねずみの 雨はふる…
       (北原白秋城ヶ島の雨」)
 
清明 富士を天に 潮ひびく港 わが丘ぞ 
 輝く三崎 開け窓を 吸えよ海気 強く生きん
 強く生きん 三崎三崎三崎 三崎小学
 
母校、神奈川県立三浦市立(当時は三浦郡三崎
町立)三崎小学校の校歌の1番です。
 この校歌の作詞は北原白秋、作曲は山田耕筰
です。小学生当時はそのような著名な詩人、作
曲家による校歌とも知らずに意味も判らないま
ま無邪気に歌っていたものです(50年を経た今で
も歌えます)。
 去る10月25日「三崎小学校昭和28年度卒業・
三崎中学校昭和31年度卒業」の同窓会があり帰
郷しました。
 会場となったのは相模湾に面した富士山や江
の島の眺望に恵まれた国内でも屈指の規模を誇
るヨットハーバー内のグラブレストランでした。
 受付時間より大分早めに着いたので係留され
ている豪華クルーザーを見学していました。や
がて受付が始まったようですが集まってくるの
がお爺さん、お婆さんばかりでしたので、我々
の同窓会とは別の集まりか老人会の会合だろう
と眺めていましたところ、その中の一人のお婆
さんが近づいてきて、「清水さんでしょう、受
付は済みましたか」と声をかけてきたのにはび
っくり、彼女の胸の名札と顔をまじまじと見比
べて思い出しました。(50数年前、ツーショット
で撮った美少女の面影が残っていました。)
 「お爺さん。お婆さんばかりで老人会だろうか、
会場を間違えたのかと思っていた」と云うと、
「鏡を見なさい」と笑われてしまいました。
受付を済ませ、会場に入り、集まったお爺さん、
お婆さんの名札と顔を見比べて思い出すままに
すっかり小学生、中学生時代に戻っての会話が
弾み、懐かしい同窓会でした。
 高齢者と分類される年令層に達したという認
識はあるものの、日々、年々の身体的老年化現
象の進行は、自分自身では気がつかないもので
しょうか。他人から見れば、ましてや50数年ぶ
りともなれば玉手箱を開けたようなお爺さんに
なっているもの当然のことでしょう。