新世紀への提言

    国際ロ−タリ−
      直前理事 南 園 義 一
(その1)
 演題は「新世紀への提言」と言う少し大袈裟な題
目ではございますが、私なりのささやかな提言をさ
して頂きたいと思いますので、よろしくお願いたし
ます。
 私のRI理事時代は、丁度、2005〜06年度の年でし
て、初年度は、グレン・エステスRI会長のもとでRI
理事を務めさせて頂きました。
 この年は、ロータリー100周年と言う画期的な記
念すべき年でございましたので、私共も、大変な感
激を持って、理事会に臨みましたけれども、そこで
感じましたことは、新世紀へ向けての大変な意気込
みでした。ロータリー100年の歴史を振り返って、
只、懐かしむ事だけでなく、それを基盤にして、更
に、新しい第2世紀のロータリーを安定させ、如何、
発展させて行くべきか?が大きな課題でした。
 今、思い出しますと、丁度3年前(2003年)、元RI
理事の今井鎮雄パスト・ガバナーは第2670地区の地
区大会での講演を「ロータリーの友」誌に掲載され
ました。御存じの方もいらっしゃると思いますが、
演題は「変化する時代とロータリーの役割」という
テーマでございました。
 2003年ですから、ロータリー100周年の前々年で
したけれども、私は、講演の全文を読んで、非常に
感銘を受けました。
 その講演では、「2001年9月の同時多発テロ以来、
世界は大きく変わりました。国家中心の安全保障、
外交、開発、或いは効率中心の経済の概念を超えて
グローバリゼ−ションが進み、新しい時代を迎えつ
つあります。
 この様な中で、今こそ、人権を尊重する、社会に
コミットした温かい心を持った活動が必要です」と、
今井元理事は強調され、「人間中心の開発を私達の
足元から発信しよう!」と述べて居られます。
 私も、まさに同感です。今や、社会構造の変革に
つれて社会の意識も変り、物の価値観も大きく変り
ました。文化に対する考え方も複雑になって来てい
ます。しかし、ロータリーは、その様な中にあって
も、常にお互いに手を差し伸べながら、善意と友情
を持って、人間同士の信頼と尊厳を享受する団体で
す。
 私達は、地域社会に手を差し伸べ、高齢者や若者
を援助し、いろいろな困難な立場のニーズを抱えた
人々に奉仕活動を行い、又、国際的にも世界理解と
平和を目標に、全世界の人たちの生活や環境のより
良い向上を願って活動を続けて行かねばなりません。
そのためには、私達は、現代の文化や文明の共生、
共存を図り、いろいろなお互いの違いを超えて、夫々
の多様性を尊重して行くことがとても大切であり、
多様性の尊重こそ、今、最も必要とされる時代であ
ろうと思います。
 本年度のビル・ボイドRI会長も、「多様な、異文
化間の架け橋になろう」と提唱されています。
 そこで、私は、新世紀への提言として、ロタリー
活動の基本理念である「超我の奉仕」と共に「多様
性の理解と尊重」こそが、現在、未来共に、私達ロ
ータリアンにとって最も大切である事を強調したい
と思います。
 元来、ロータリーは各地域や文化圏で、夫々の、
性別、人種、言語、信条等の違いを尊重して、お互
いに、同じ立場で平等に活動している団体です。
 従って、「多様性の尊重」こそが、ロータリーの
組織や活動の中で最も大きな、重要な要素であると
考えられます。      (次号・その2へ続く)