新世紀への提言

    国際ロ−タリ−
      直前理事 南 園 義 一
(その2)
 RI細則の第4条4.070.には、「いかなるクラブも、定款
その他の規定によって、性別、人種、皮膚の色、信条、
又は国籍等に基づき、会員身分 の制約をしてはならない」
と規定されています。
 この事は、皆様充分に承知の事であり、又、実践され
ている事でありますが、今年、コペンハーゲンで開催さ
れた国際大会と同時に行われましたRI理事会に於きまし
ては、あらためて、「多様性を尊重する声明」を決議し、
多様性への認識を深め、そして、その対策をRIの将来長
期計画委員会で検討するよう推奨しました。
 この決議の中で、理事会は、「近年において、科学や
技術の世界は多くの発展を遂げ、適用される職業分類も
非常に拡大して来ている。加えて、社会の変化は、働く
場を多様にし、多数の女性が働き始め、職業や専門職種
の分野に進出し、その社会の中でも高率の組成を示して
いる。
 民族的な多様性は、ビジネス、マネージメント、専門
職業の中でも明らかに増加し、又、若者もいち早く職場
の指導的立場を達成し、最も頻繁に事業開拓に指導権を
持つようになって来ている。各クラブは、このような変
化を確実に認識して努力・活動すべきである」と指摘し
ています。
 又、「国際ロータリーは、個々のロータリークラブ
於ける多様性の価値を認識し、各クラブに現存する会員
増強のルールに従って、自分達の周辺社会の適切な会員
資格のある人々を調査し、そして、各クラブに適切な各
層の人々を含めるように勧めるべきであり、現代社会の
事業や職業を正確に反映しているクラブが将来のロ−タ
リ−の鍵を握っていると言へるであろう。」と会員増強
への関連を強調しています。
 このように会員増強と多様性の認識との関係は大変重
要でありますが、更に、世界各地域の、地域的な違いや
文化の違いを充分に理解されねばならない事も、重複し
て述べられています。文化や宗教の違いは、夫々の本質
や立場を認め合い、お互いに理解し、尊重して、はじめ
て私達は共存出来るのであります。
 そして、現実に、この「多様性の理解と尊重」をより
効果的に浸透させるためには、先ず、全てのロータリア
ンが多様性の価値を理解し、自覚し、しかも、ロータリ
ーの組織や活動にどんなに必要な要素であるかを認識し
て行動すべきであろうと考えます。
 このように、「多様性の理解と尊重」は、ロータリー
の組織や会員増強に大変効果がある重要な要素であると
同時に、もっと、大切な事は、それに基づくロータリー
の奉仕活動への多様性の適応であります。
 新世紀のロータリー活動は、夫々のクラブの活動が基
本であり、現代社会の変化に適応できるクラブの活性化
がどうしても必要でありますが、その活動を進めて行く
際には、現代社会に適合した、柔軟な、そして各種多彩
な方法で活動を進めて行くべきです。
 そして、私達の活動の足場をしっかりと固め、将来へ
の確固たる目標を定めて活動すべきです。つまり、ロー
タリーの奉仕活動の内容にも、多様性の適応は、とても
大切な必要な要素であると言へるでしょう。
 ロ−タリ−の各種のプログラムを、活動方法として、
柔軟に捉え、機能的に行動し、多種多彩な活動を展開す
べきであると思います。
 このことは、クラブの奉仕活動の種類を多くしようと
言っているのでなく、クラブを活性化するために、効率
の良いプログラムの活動方法を多様多彩に考えて行こう
と言う事です。
 そして、その中から、夫々のクラブの考えに則して、
大小のクラブの規模に合った、特徴のある活動を選択して、
効率の良い活動を進めて行くべきであろうと考えます。
 この事は、RI指導者も、地区ガバナーも、ガバナー補
佐はじめ地区の指導者も、そして何よりも、クラブ会長
やクラブ理事、委員長等のクラブの指導者の方々が、充
分に理解して指導して頂きたいと思います。
(次号・その3へ続く)