「放課後子どもプラン」佐波小学校の取り組み紹介

          澤 田 健 規
 
 昨年9月より佐波小学校において「放課後こど
も教室」がスタートしました。この事業は、文
部科学省と厚生労働省の放課後対策事業の連携
の一環として、防府市のモデル校として佐波小
学校・佐波地域が取り組んでいます。「平成の
寺子屋」とでも言いましょうか。
 もともと文科省は授業時間を所管、そして、
厚労省は共働き世帯を対象とした留守家庭学級
を所管していました。(留守家庭学級は今後も継
続します。)しかし、対象となるのはどちらも同
じ子どもたちです。
 現在の子どもたちの放課後の過ごし方は、塾
などの習い事、スポーツ少年団などの活動、そ
して、一人で過ごすタイプに分けられます。し
かし、どの子にも共通しているのがゲームやテ
レビといった対話のない一人遊びをしています。
これが健全な成長の妨げの一因となっています。
 PTA連合会としても何とかしなければと危惧し
ていました。幼少年期の放課後の過ごし方が、
今の若者世代に反映されています。たとえばニ
ートやフリーターといった、社会適応能力の欠如。
 幸いにも佐波小学校では、体育館の建て替え
にともない、地域開放型の多目的室を設けてい
ただきました。そこで、公民館で行っている青
少年対象のプログラムを持ってこようという算
段でした。つまり、この事業は渡りに船の状況
にありました。
 この教室の先生や運営スタッフは地域ボラン
ティアの方々です。学校には場所の提供と事務
処理を行っていただいています。週二回水・金
曜日の放課後、30分の学習時間(宿題)の後、1時
間のプログラムを行います。お茶・お花・俳句・
パソコン・ことば・昔あそび・一輪車・ニュー
スポーツ・もちつき・そば打ち等々、盛りだく
さんです。
 2月末で今年度の教室を終了いたしました。子
どもたちの成長は手に取るようにわかります。
異年齢集団の中で好ましい上下関係も育まれま
した。そして何よりも、延べ参加児童数2,500人、
指導管理ボランティア330人、地域力向上に大い
に寄与しています。
 PTA会長として「取り戻そう向こう三軒両隣」
をスローガンに、地域の方々と活動しています。
かってのあの古き良き時代が、蘇ってきそうで
楽しみです。
 ロータリアンの皆さん、近くの小学校や母校
に足を運んでみてください。「昔は良かった」
という愚痴が、「今も良い、これからも良い」
と思わせる、子どもたちに出会えますよ!