春に因んで 

          深 野 浩 一

 長い冬が去り、いよいよ春到来。木々が芽吹
きすばらしい季節がやってきた。早春には梅の
花が、3月にはボケ、コブシ、モクレンが次々
と花開き、そして4月には待ちに待ったサクラ
の開花へ続くこのシーズンが大好きだ。  
 早春の殺風景な冬景色の中に、赤や純白の花
をつけたこれらの花をかいま見るとき、その美
しさに思わず立ち止まってしまう。
 しかし、春一番に始まり風が強く埃っぽいの
がこの季節で、天気の良い日には花粉が飛び、
これに対するアレルギーを持っているひとには
実に厄介な季節でもある。
 また春の名物黄砂については、中国大陸やモ
ンゴルの砂漠の砂が気流に乗って日本に運ばれ
て来るのはご存知の通りだが、遠くははるばる
太平洋を越え、北米にまで達することが確認さ
れている。
 近年黄砂の飛来頻度が増しているが、これは
中国やモンゴルで盛んに行われている森林伐採
が土地の劣化をもたらし砂漠化を来す。これが
さらに拍車をかけているらしい。
 また最近黄砂アレルギーなる言葉を耳にする。
黄砂が喘息や喘息様気管支炎等のアレルギー性
疾患を引き起こす原因のひとつだという説で、
砂に混じって飛来する金属粒子がアレルゲンに
なり得るとの考えだが、ことの真偽は定かでは
ない。
 黄砂現象は従来自然現象であると理解されて
きたが、近年ではその頻度と被害が甚大化して
おり環境問題としての認識が高まっている。私
の大好きな季節である春がこういった環境破壊
により汚染されるのは残念至極である。それに
も拘らずサクラは健気にも春を忘れず美しく咲き、
我々を楽しませてくれる。
 ただいま春爛漫、気象情報によれば今年のサ
クラの開花は暖冬のおかげで例年になく早いとか。
 何はともあれ、毎年この時期に当クラブにお
越しいただき、楽しい卓話をしてくださる福田
百合子先生の来訪は、春の訪れを感じさせる防
ロータリークラブの春の一大イベントになっ
ている。