感性とは…

              宮 田 幸 博

 時折「あの人は感性が豊かだな」という言葉を
耳にしますが「感性とは?」と聞かれると言葉に
詰まってしまいます。
 ある時TVで「感性とは…人が何とも思わない
物を観て、その物に素晴らしさを感じられること
…それが豊かな感情の持ち主」との答えを聞き、
数年前のある事柄を思い出しました。
 ある休日に友人6名とゴルフに行く途中、絶好
のドライブ日和に恵まれ、黄金色に垂れさがる稲
穂を眺めながら走っていると、友人のひとりが急
に「見て!見て!黄色い稲穂の中に真っ赤な彼岸
花が綺麗だね!!」と大きな声を発したのには、
思わず「どうしたのだろう?」と思ったわけです
が、何も考えずに辺りの景色を見ながら過ごす私
たちと違って、彩の調和・鮮やかさを言葉に出し
て表現できる友人の素晴らしさを羨ましく思えた
ことを記憶しています。
 私は絵を描くことも趣味ですが、写真を撮るこ
とも趣味のひとつです。
 写真を撮るということは、車を運転している時
も、山道を歩いている時も常にシャッターチャン
スを狙っているようにも思えます。
 妻とドライブしている途中でも、急に車を止め
て後戻りをすることがあり「どうしたの?急に?」
と妻は驚きますが、数メートル下がると、ほんの
ちょっとした草木があり「よく走りながら気づく
ね」と言われることは度々です。
 この積み重ねも感性の豊かさに通じれば…と思
っていますが『わき見運転事故のもと!!』とな
らないように、安全運転は十分心掛け、これから
も日ごろ気にしていない隠れた素朴な美しさを発
見していきたいものです。