エイロンとの夏の思い出

          山根耕太郎

 今年もロータリークラブの7月の例会を、モン
ローからの交歓留学生が訪れた。
 我が家にも、もう4年前になるがモンローから
の留学生がやって来て夏のひと時を一緒にすご
した思い出がつい昨日のことのようによみがえ
る。
 彼の名前はエイロン・ピン、我が家の三男と
同い年、15才の男の子だ。
 彼は背も高くややぽっちゃり系で体格もよ
く、本来は日本でいうと中学3年生にあたるが飛
び級で高校に進学しモンローの高校1年生とのこ
と。
 趣味は昆虫の観察で、将来の夢は生物学者
なる事だと言う。我が家の庭で蜘蛛や、アリを
見つけてはじっと見つめ観察してはモンローの
ものとは違うと、食い入るように見つめてとて
も楽しそうだったのが印象に残っている。
 一方で我が家の子供たちとはプレステのサッ
カーゲームで盛り上がり、対戦する様子は日本
の高校生と変わらない一面を持ち合わせてい
た。
 食事も何でも食べてくれたが、味のついてい
ない白ご飯はあまり好きではなく、炊き込みご
飯、焼き飯、カレーライスのように味のついた
ご飯が好きだった。
 好物はベイクドポテト(日本ではじゃがバター
)で何個もおかわりしておいしそうに食べてい
た。自分の家ではお母さんが「あまり食べると
太るから」と「1個だけしか食べられない」と言
っていたのがほほえましかった。
 スポーツはあまり得意ではなく、テニスを一
緒にした時は夏の暑さもあってか、少しきつそ
うであまり楽しそうではなかった。
 スイミングは好きだというので佐波川に連れ
て行って一緒に泳いだ時はとても喜んでいた。
彼のふるさとの川より水がきれいで、川から見
える山々(右田ヶ岳)がとても美しいと言ってく
れたのが防府の良さを分かってくれてうれしか
ったし、自分のふるさとを誇らしく思えた。
 日本の同世代の若者と比べるととても純粋で
心優しい少年だった。モンローで彼が自分の夢
をかなえるべく昆虫の観察に取り組んで、充実
した学生生活を送る事を遠い日本から心から願
っている。