福田百合子先生

        近 藤 宏 一
 
 毎年桜の季節になると、福田百合子先生と春とが一緒にやって来る……今日はその歴史を振り返ってみよう。
 福田先生の卓話が最初に行われたのは1981年4月7日で今年で31年目ということになる。最初は、当時ロータリアンだったユネスコ協会の常森義男会長の依頼で始ったように記憶する。
故・白石民造さんがガバナーをつとめられた直後のことである。
 当時、福田先生は山口女子大…山口市宮野にあった元・山口女専…現在の山口県立大学…の
教授であった。
 桜の咲くこの季節は入学シーズンで、お忙しい中をご無理なお願いをしたので当初は2月や6月にずれたこともあった。
 お若い頃は、時にはショッキングピンクのスーツ姿で、左手を腰にあて、右拳を上に振りかざしながら大学運動会の女子騎馬戦の実況中継なども楽しく聴いた。また自著出版された折には何となく艶かしい話しもされたような記憶も
ある。
 中原中也記念館長に就任された頃からのお話しは…みやび・わび・さびを強く感じるし、その文学的表現は先生の感性そのものであり、最近は特に円熟味を増してきたと思うのである。
 ご来会歓迎のスマイルボックスも、最初は故・常森義男さん。続いては故・荒川信雄さんで、現在は深野浩一会員へと続いているように思う。
 以下、記念誌よりの記録を載せるが一部欠落。今のもあるうちに確認しておきたいと思うの
だが…。
福田百合子先生 卓話履歴
〔山口女子大教授〕時代
  1981.04.07. 花のうた
  1982.……未開催……パス
  1983.06.14. 色彩と文学
  1984.02.07. 冬の歌
  1985.……未開催……パス
  1986.……未開催……パス
  1987.04.14. 中原中也没後50        年に因んで
  1988.03.22. 視点の話
  1989.03.07. 春がすみ
  1990.03.20. 羽衣願望
  1991.04.16. 秘すれば花
  1992.04.28. 演題不明??
         記録なし
  1993.03.30. 園遊会こぼれ話
  1994.03.29. 詩人 中原中也
   〔中原中也記念館長〕時代
  1995.04.04. インドネシア
        の話
  1996.03.12. 中原中也の詩と        花
  1997.04.01. 演題不明?? 記録        なし
  1998.04.07. 桃の花
  1999.03.23. 前川佐美雄の歌
  2000.03.14. 中原中也の療養        日誌
  2001.04.10. 文学あれこれ
  2002.04.09. 山口の方言
  2003.04.01. 桜の話
  2004.03.23. リニューアルと        いうこと
  2005.04.05. 女性の日記
  2006.04.04. 「国民文化祭に        向けて」
        山頭火と中也       −水をめぐって−
  2007.04.03. 「中原中也
     生誕100年」によせて
  2008.04.08. 賞と象徴
  2009.04.14. 文学と食
  2010.04.13. ふるさと・
          あれこれ
  2011.04.12. 今年の中原中也         賞(生首)
 これとは別に福田先生には毎年2月、防府天満宮お針祭りでの講話もお願いしているが、お針祭りは昭和53(1978)年に始っている。ロータリアンだったユネスコ会長の常森さんが観光協会長時代のことで、福田先生の講話は、お針祭り
初めからではなくロータリーの卓話とほぼ時を同じうして始ったように記憶するのだが…?。これもこの際解明しておきたいものである。