旧盆に想う

          田 中 文 雄

 真夏の太陽の下、東北大震災の復旧に携わる
人々の姿、又災害の死者、大戦の死者の慰霊行
事が放映されるにつけ、日本の民族性について
考えさせられました。
 ロータリアンとして「四つのテスト」にて行
動と指針が1932年に創案され推奨されていま
す。
 日本においても1882年に青少年の為の教訓書
として20項目、孝行、忠節、和順、友愛、信
義、勤学、立志、誠実、仁慈、礼譲、倹素、忍
耐、貞操、廉潔、敏智、剛勇、公平、度量、識
断、勉職が日本古来の美徳とされ啓蒙されまし
た。後に8年後この教訓が教育勅語として発布さ
れました。
 朕惟フニ、我ガ皇祖皇宗……に初まる文面
である。その内容を口語文に訳すと、
 私たちの祖先は遠い昔に我国をお開きに
なって以来、道義国家の理想実現を目指し
てきました。その為に国民は常に心を一つ
にして忠孝一致の道に励み我国古来の優れ
た国柄の長所でありますが、教育の根本目
的も道義国家の完成にあると信じます。国
民は子は親に教養をつくし、兄弟姉妹は互
いに力を合わせて助け合い夫婦仲むつまじ
く、友人は信義を守って励まし合い、そし
て自分は言動を慎み全ての人に愛の手をさ
しのべ、学問を怠らず、職場に専念し知識
を養い人格をみがき、さらに進んで社会の
為に力をつくし、又法律や秩序を守ること
は勿論のこと、もし非常事態が起こった場
合には身命を捧げて国の平和と安全に奉仕
しなければなりません。
 これらのことは善良な国民としての努め
であるばかりでなく又祖先が示し残された
伝統的な美風を私達が更に明らかにして讃
えることになるのです。
 だからこの様な国の歩むべき道は祖先を
教訓として私達子孫が守って行かねばなり
ません。昔も今も変わらぬ正しい道であっ
て、日本ばかりか外国に於いても違いはな
い道です。祖先の教訓を胸に抱いて日本が
永久に立派な道義国家であることを希望し
ます。
 とありますが戦後勅語に罵声を浴びせ衆参両
院は満場一致により拍手喝采で粉砕したとのこ
とです。その後の教育基本法により今日の日本
が存在しています。