えきなが講座とボランティア寺子屋の状況

            浴 永 直 孝
 
 会社生活をほぼ終えて、自分のためだけの遊
びの毎日に移行しつつありますが、一つくらい
は世の中に恩返しをしたいとの殊勝な考えもな
んとか持ち合わせております。自分自身は技術
屋として何とか充実したサラリーマン生活を送
れましたが、現在は子供の理科系離れが深刻と
聞き、寂しく思ったことを思い出しました。日
本は技術立国であるべきとの考えで、この子供
理科離れを微力ながら少しでも阻止したいと
思い、えきなが講座を開催し、現在も続けてお
ります。
 講師は、天文学の東大・岡村定矩教授、電気
化学の京大・阿部武志教授、名大・宇治原徹教
授の3人で、これまでに5回無事開催できまし
た。このえきなが講座開催にあたっては防府
ータリークラブの多大な支援を頂き大変感謝し
ております。
 講座の具体的な目的は、子供が理科系の学校
に入学する人数を増やすことにありますので、
まずは高校の理科系教師にコンタクトしまし
た。しかしながら多くの高校教師は子供を動か
すのが難しいようです。講座には賛同して頂い
ても学生の参加に繋がらないのです。しかも、
よく考えれば自分もそうでしたが、高校一年の
夏には理科系か文化系かの選択が終わってい
て、理科系への誘いのチャンスは非常に短いの
です。
 そうなると実績を上げるためには中学生をタ
ーゲットにせざるを得ません。そこで、中学の
理科の先生方にお会いしました。殆どの先生が
喜んで頂き、自分の担当している部活の子供達
を連れて来てくれました。現在毎回平均40名程
度の中学生の参加を得て、なんとかえきなが講
座を続けることが出来ております。
 講演前夜に講師との懇親会を開いております
が、皆さん酒好きのせいか、それも好評のよう
です。一応の体制は出来たのではと思っており
ます。
 勿論、このえきなが講座だけで厳しい現実を
大きく変えることは出来ません。そこで算数嫌
いが理科系離れに繋がっているとの理解から
「ボランティア寺子屋」を思いつきました。教
師も場所を提供するお寺さんも全てボランティ
アで小中高学年の算数を無料で教えるシステム
です。お寺さんのメリットは、教えられる子供
は檀家さんの子供なので、檀家との良好な関係
が築けることと考えています。現時点では賛同
されるお寺さんは一軒で、実際に子供が集まる
のか分かりません。