カムリバンクの家

            南 園 義 一
 ロータリーの創始者ポール・ハリスがジー
夫人と共に約35年間住んだ「カムリバンクの
家」は、シカゴ湖畔の南西約40マイルにある自
然の森の中に、今でも昔の風情のまま保存され
ている。
 周囲は鬱蒼とした自然樹で囲まれており、道
路を外れて、曲がりくねった細い道を登るとポ
ール・ハリス夫婦が愛着した瀟洒な二階建ての
家が見えてくる。
 周りの木々は落葉樹が多いので、冬になると
葉が落ちて、少し寒々とした風景になるが、春
には野鳥が集まり、ポール・ハリスは「ここは
世界中のロータリアンが集まり、ロータリーを
語る美しき場所だ」と、常日頃、語っていた。
 日本のロータリアンが寄贈した石灯籠も庭の
片隅に据えられている。
 私が「カムリバンクの家」を訪問したのは、
1997年、ガバナーエレクトの時とRI理事を務め
た2005年の2回である。最初の時は、同年期の日
本のガバナーエレクトの皆さんと一緒で、皆
で、感激した気持ちで「ロータリーの聖家」を
眺めたことを想い出す。
 2度目はロータリー100周年の担当理事とし
て、グレン・エステスRI会長以下、田中作次・
現RI会長等、多くのシニアリーダー達と共に訪
れ、厳粛な記念式典に参加した。
 「カムリバンクの家」の維持保存にはいろい
ろ困難な点が多く、周辺のクラブが支援して
「カムリバンク財団」を結成し、現在まで維持
して来たが、昨年10月、RI理事会が「カムリバ
ンクの家」の財政的支援を含めて、援助を決議
したことは喜ばしいことである。
 今後とも、私達、ロータリアンの「心の故
郷」として存続することを期待したい。