幕末・維新期に活躍した人物の雅号について
脇 正 典
近藤宏一さんから、雅号を調べる良い本がな
いかと頼まれていました。心当たりがあったの
で、気楽に引き受けましたが、図書館を引っ越
ししたので、どこに仕舞ったのかわからなくな
りました。先日、こんな所にあったのかとみつ
かりました。
本の名は、田村哲夫編の『防長維新関係者雅
号便覧』です。RC会員のお宅には、立派な軸物
もあるかと思います。防府の関係の人物を一部
書きましたので参考にしていただければと思い
ます。
*楫取素彦 耕堂・晩稼・棋山・観月・不如帰等
藩主毛利敬親の側近として活躍、明治3年三田
尻宰判管事になった。後、群馬県令となり名県
令といわれた。大正元年三田尻で歿。
*光妙寺三郎 可成・可堂・水賓・夢龍居士・
三々学人等
井上 馨に認められフランスへ留学。同地で
西園寺公望・中江兆民と親交。第一回衆議院選
挙に当選し、議会の花形であった。明治26年
歿。
*貞永正甫 幽之輔・蕉陰
問屋口の問屋業で、屋号を関屋という。浜持
で金融業も営む。木戸・井上等の志士を支援。
明治25年歿。
*大楽源太郎 西山・朝風・水月・生草
台道の生まれ。志士として活躍。維新後志か
なわず、西山書屋という塾をひらく。門下が大
村益次郎暗殺に関わったとして追われ、明治4年
暗殺される。
*岡本三右衛門 桜園
宮市の綿商。国学を鈴木直道に学び、吉田松
陰・桂小五郎・楫取素彦等の志士を支援した。
坂本龍馬も寄寓したことがある。書斎は「桜園
亭」といい、後に松崎幼稚園にあったが、現在
は取り壊されている。
(参考資料『続防府市史』)