ロータリーの新しいブランド戦略

 8月26日、国際ロータリー(RI)のウェブサイトが新し
くなりました。以前のウェブサイトとは、ずいぶん変わ
りましたから、戸惑われた方も多いと思います。新しい
ウェブサイトは、ロータリアンでない人たちにもロータ
リーのことを知っていただくことを意識して作られてい
ます。
 また、「My Rotary」から入ると、ロータリアン向け
のロータリー情報が得られます。それだけでなく、ロー
タリアン同士が情報を交換できたり、ロータリーについ
て学んだりするようにもなっています。
 ところで、このウェブサイトをご覧になって、内容だ
けでなく、デザインも以前と少し違った印象をお持ちの
方もいらっしゃるかと思います。ロータリーは、100年
以上にわたって、様々な活動をしてきました。しかし、
一般の人たちは、ロータリーの名前を知らなかったり、
どのような活動をしているかわからなかったり、という
場合が多いようです。
 そこで、国際ロータリーは、2011年から、イメージ向
上を目指した取り組みを開始しました。そして、今年8
月、新しい公式ロゴが発表されました。発表といって
も、国際大会などで、大々的に発表されたわけではない
ので、変わったという事を知らない方が多いと思いま
す。また、公式ロゴが変わったといっても、私たちが長
年親しんだ歯車のロゴが変わったわけではありません。
使い方が変わったのです。
 さらに、ロータリーの冊子を作成する場合の色の使い
方やデザイン、使う文字の種類まで詳細に指定するガイ
ドラインもできました。このガイドラインには、ロータ
リーについて説明する場合の言葉についても書かれてい
ます。
 このガイドラインと公式ロゴは、RIのウェブサイトの
「My Rotary」からダウンロードすることができますか
ら、ご確認ください。
 とは言うものの、ガイドラインはあまりにも詳しくて
専門的で、印刷やデザインの仕事に縁のない方には理解
できない部分も多いと思いますが、そこはロータリーの
いいところ、必ず近くに専門の会員がいらっしゃると思
いますので、お尋ねになってみてください。
 ところで、ロータリーで「ブランド戦略?」とクビを
しげる方もいらっしゃると思います。ブランドという
と、ちょっと抵抗があると思いますが、要は、ロータリ
アンやロータリークラブ、そしてその活動について、私
たちの周りにいる人たちに知ってもらいましょう、よい
イメージをもってもらいましょう、ということです。
 しかし、決して良く見せようというのではありませ
ん。ロータリーのありのままを見ていただくということ
です。そのありのままの姿や活動に、良いイメージを持
ってもらうには、まず、ロータリアン一人ひとりが個人
として、職業人として、そして社会人として、研鑽を積
んでいかなければいけません。また、クラブや地区では
人々のニーズに合った活動をしなければなりません。こ
れが第一です。
 しかし、個人の行動や、クラブ、地区の活動は、それ
ぞれが独自に行っていますから、ロータリーとして印象
付けられることはありません。そこで、それらの独自の
活動を、地域社会の人々や世界の人々にロータリーとし
て関連付けて認識いただくために、何か統一的なイメー
ジを、と検討されてきた結果が、新しい公式ロゴであ
り、デザインやメッセージのガイドラインです。これを
見れば「ロータリー」に結びつくというイメージを持つ
ことは、組織にとって大切なことです。
 一方で、それぞれのクラブが持つ個性もロータリーの
大切な財産です。クラブや地区の特徴を生かした独自性
を保ちながら、国際ロータリーの一員として、世界の仲
間たちとともに一つのイメージをつくりあげていくのは
とても難しい挑戦だと思いますが、各クラブの個性がキ
ラリと光りながら、一つのイメージとし発展する、そん
なブランド戦略が期待されます。
          『友』編集長  二神 典子
            (ロータリーの友10月号より)