色彩について

          田 中 信 治

 建築の道に進むに当たり大学で美術部に入
り、色彩を勉強しました。まずは油絵を学び
YMCA学院に行き、クロッキーを1年間学びまし
た。裸婦のモデル相手に18歳の純な男が悪戦苦
闘しながら描いている姿を我ながら想像すると
……です。 そしてゲシュタルト心理学を学び
現代美術に興味を持ち、京都・倉敷と美術めぐ
りをよくしました。もう一度油絵を描く機会が
あればと思いますが、なかなかできません。
 さて、本題に戻すと色彩についてお話をした
いと思います。まずは色彩論から。
 わが国では一般的にマンセルによる表色を用
います。色彩を色相・明度・彩度の3属性で表し
ます。
 色相は、10種の有彩色と5種の無彩色を基本と
して、さらに、有彩色は基本色を10段階に細分
します。白、灰色、黒は無彩色です。
 明度は、色彩の明るさを表し、理想の白を明
度10とし、理想の黒を明度0とします。
 彩度は、色彩のあざやかさを表し、無彩色を
明度0とします。
 ちなみに赤は5R4/12、青は2.5PB4/10、黄色は
5Y8/12のマンセル記号で表示されます。
 よく建築で色を決めるときにこのマンセル記
号を用います。
 また色彩は、形とともに、さまざまな感覚を
生み出し、人は、それによって心理的、生理的
な影響を受けています。
 色による重量感は、黒く塗った物は1番重く感
じ、白と黄色は軽く感じます。白、黄色等の薄
色は物の形を大きく見せ、黒、紫、赤等の濃色
は小さく見せます。また赤黄系は暖かく感じ(暖色
)、青系は冷たく感じ(寒色)ます。そして暖色は
人の心を愉快明瞭にし、寒色は鎮静憂うつにし
ます。
 色彩のもつ感情が色々表現されています。あ
なたの好きな色、又会社のイメージカラーは如
何でしょうか? ちょっと調べてみては如何でし
ょうか?
 街にも色々な色があります。色によって建物
の特徴が出ます。わが社も20年ぶりに建物の色
を変えました。息子のアイデアです。ご意見を
お願いします。