閏年について

       
             齋 藤 兼 三
 
 今年は4年に1度のオリンピックの年で、リオ
オリンピックが開催されます。夏のオリンピッ
クの年は閏年に当ります。
 現在は太陽暦で運用されていますので、2月が
29日まで有ります。
 皆さんご存知とは思いますが、2月29日生まれ
の方は、誕生日は閏年にしかやって来ないこと
になります。ですが、それは本来の誕生日の事で
平年には替わりの誕生日を設ける制度が有ります。
「みなし誕生日」と言われ、2月28日か3月1日の
どちらかになります。日本の場合は2月の末日で
2月29日の前日という事で、ほとんどが2月28日
になっているそうです。この辺りの考え方は日
本人らしいところです。
 ここまで太陽暦閏年の事を書きましたが、
以前の日本では太陰暦を使用していました。
 太陽暦の1年は平年365日で、約4年に1回の閏
年は閏日が入って366日になりますが、太陰暦
1年は平年約354日で、約3年に1回(19年に7回)の
閏年は閏月が入って約384日になります。つまり
平年よりも約1ヶ月多くなってしまいます。そ
こで閏月を挿入して調整していました。閏月は
季節を合わせる為に、年によって挿入の月が変
わります。例えば「4月の次に閏4月」という具
合にしていきます。ただ、太陰暦は二十四節季
に合わせた暦なので、農業の季節感には適した
暦と思われます。人間の経験と知恵にはつくづ
く感心させられます。
 また、今年は太陽暦では閏年ですが、太陰暦
では来年が閏年です。両暦で閏年が一緒とは限
らないというか違う事のほうが多いのです。
 太陰暦では閏年に1年が13ヶ月あった為に、現
在と違い禄高という年俸制であった江戸時代には、お墓石やお仏壇という高額商品は控えようという風習が有りました。現在でも根強く残ってい
る地域も有りますが、一般的には随分変わって
きました。
 時代の流れで色々な事や考え方が変わって来
ましたが、温故知新の言葉の通り、古い物は歴
史と人間の知恵がこもっていて大事にしなけれ
ばいけない気がします。
 特に宗教用具を取り扱っていると、余計にそ
ういう気になります。