つまみ食いは厳禁・順番が大事

          永 井 晴 彦

 私自身20歳の頃105kgあった体重を我流のダ
イエットで65kgまで落とした過去があります。
幸い30年間リバウンドせずラッキーでしたが、
他人の我流の悲劇を見るにつけぞっとします。
 今では食事制限のみのダイエットは筋肉量が
落ち、基礎代謝が下がり、却ってやせにくい体
質になり、リバウンドが激しくなることも認知
されています。筋肉をつけ基礎代謝を上げてか
ら適度な食事管理(つまみ食いなどせず)をする
という順番が正解でしょう。
 話は変わりますが、成年後見制度の課題(使い
込みによる親族間トラブル)を補うべく後見制度
支援信託というものがH23年4月にスタートし丸
4年、県下唯一の取扱機関として弊社へのご相談
件数も増え、それに伴い成年後見制度自体に絡
む相談も増えています。
 成年後見制度への誤解も数々あり、制度のた
めに子供でもお金が出せなくなったとおっしゃ
る方もいますが、そもそも本人確認法の厳正化
と相まって認知症等の方のご資金を家族といえ
ど自由に動かすことはできません。
 成年後見制度は被後見者の財産の安全確保を
最優先しますので厳格にルールを守っているに
すぎません。成年後見制度のため借名預金(預金
保護されません)の名義を戻せなくなったと言わ
れる方もいます。「借名預金の修正」「相続対
策としての子や孫への贈与」等々は認知症・寝
たきりになる前に確り対応すべきもので、制度
への八つ当たりは間違っています。計画的な「順
番」が大事です。
 同様に巷で言われる相続対策もその功罪を見
極め、実行・実施する順番が大事です。対策の
効果だけ聞きかじり、過去の経緯やその他への
影響など時系列での配慮なしに利用すると後戻
りできないこともあります。
 その意味では成年後見制度は後戻りできない
例かもしれません。また、「知りあいに対策と
して良いといわれたから。」と多額な保険加入
や贈与活用を順番を考えず、つまみ食い的に行
っているケースもこれにあたります。「資産管理・
承継」にも「ダイエット」にも無計画なつまみ
食いは厳禁。順番・準備が大事。職業奉仕を確
りと行うためにその大事さを理解いただけるよ
う努めます。